みみすま2022福島訪問活動報告 第3日目-1

<3日目> 118日(火)

最終日は東京の昼間範子さん(日本カトリック正義と平和協議会)も合流して一緒に活動しました。

認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね 見学

今回は3年ぶりのいわき市訪問にあわせて、代表の鈴木薫さんに「たらちね」見学をお願いしました。

https://tarachineiwaki.org

たらちねさんは、20113月の東日本大震災による福島第一原子力発電所の爆発事故を受けて、同年1113日に市民が自ら立ち上げた放射能測定室です。翌年「たらちね・子ども保養相談所」も開設して保養の送り出し事業を開始。2013年からは子どもたちのための出張甲状腺検診事業を開始。2014年にはベータ線核種のストロンチウム90とトリチウムの測定ラポを開設。2015年から福島第一原発沖の海洋調査も開始。2017年に「たらちねクリニック(小児科・内科)」を開設して、専門の医師による一般保険診療、ホールボディカウンターによる全身放射能測定、子どもの健康診断・子どもドックを実施してきました。そして2019年からは、子どものこころのケアプロジェクト「あとりえ・たらちね」も開設。たらちねは、現在16名のスタッフで運営されています。

まず最初にパワーポイントを使って鈴木さんから2022年現在の福島県の状況を解説していただきました。昨日、浪江町の帰還困難区域を通ってきた私たちはリアルな感覚でお話を聞くことができました。福島第一原子力発電所がある大熊町では、新しい役場庁舎の大川原地区が「大熊町復興拠点」と位置づけられて、新しい住宅街のなかに学校と保育園を統合させた教育施設「学び舎ゆめの森」建設がはじまりました。しかし大熊町から会津に避難しているお母さんたちから相談を受けたたらちねさんは、202284日にこの地域の12箇所を測定したところ、まだまだ放射線量の数値が高いことが判明したそうです。鈴木さんからは子どもたちが安心して暮らす環境ではないことを問題視していると説明を受けました。

次に、ラボ内部やクリニックも実際に見学させてもらいました。ラボではこの日も2名のスタッフが依頼を受けた水・食品・土・資材・空気中塵埃(ちりやほこり)などの測定を行っていました。https://tarachineiwaki.org/radiation/result#kaiyou

たらちねさんの活動は、放射能測定、保養の送り出し、クリニック、こころのケア、原発周辺の海洋調査、講演会や勉強会・見学会の企画運営など多岐にわたります。女性たちが中心となり、子どもや家族を被ばくから守りたいという思いで2011年に開設して以降、科学的な分析と新たな知見の蓄積、そしてこうしたデータの情報公開なども行っています。

原発再稼働の動きと原発依存のエネルギー政策に向かおうとする政府の方針に疑問と怒りを感じながらの福島訪問でしたが、たらちねさんの存在は私たちをとても勇気づけてくれました。貴重なお時間をさいて、私たちにたくさんお話いただいた代表の鈴木さんに深く感謝いたします。たらちねのみなさま、本当にありがとうございました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする