口琴という楽器も、大陸側との交易が盛んだった樺太アイヌは金属製のカーニムックンで、北海道アイヌは竹製のムックリを奏でます。楢木さんがカーニムックンを、助手の河波まさ子さんがムックリを演奏して、素材の違いや音色の違いも学びました。また樺太アイヌのトンコリ(弦楽器)を奏でながら樺太アイヌ語による伝統歌謡も聴かせていただきました。
明治以降、多くの日本人が北海道に渡って来たことでアイヌ民族は差別や迫害を受けましたが、とりわけ樺太アイヌの人々は大きな戦争のたびに強制移住をさせられて故郷を失うことになった歴史についても学びました。
「いじめはどこにでも存在します。自分と違うからといって人が人を差別したり、苦しめたりすることで、暮らしやすい社会、平和な社会は決して生まれません。皆さんもどうか自分の周りで「いじめ」が起きたらそれを無くす努力をしてくださいね」。
子どもたちに優しく語りかける楢木さんの言葉はとても心に響くものでした。最後に楢木さんと河波さんのリードで全員で大きな輪になり、「ポロリムセ(輪踊り)」を踊ってこの特別授業を終了しました。
< 午前 > 交流を終えて
2時間の交流を終えた両校の児童と先生、講師の方や教育委員会の方、みみすまスタッフを前にして、5ヶ年計画の最終回に同行された川俣町教育委員会学校教育課指導主事の佐々木光政さんからもご挨拶がありました。そして全員で記念撮影をしてから川俣の一行は貸切バスに乗り込みました。角田小学校の子どもたちはバスが動き出すと校門まで走りながら何度も大きく手を振ってくれました。