ふりかえり/こどもの力(1)

子ども達は合宿生活に慣れてくるとそれぞれの持ち味が発揮されはじめ、スタッフとしてはそれを発見することが喜びのひとつになりました。

S君は早い段階から自分の特技を披露した人でした。スコーレユウの休み時間にカッターナイフで消しゴム印を彫って見せてくれましたが、カタカナだけでなく、ひらがなもハングル文字も短時間に彫ることが出来る凄い才能の持ち主でした。その器用な指にかかると折り紙の小さな小さな鶴まで登場。折り紙コーナーを開設した大学生ボランティアのお姉さん達もビックリでした。この凄い指先の器用さと表現能力をS君にはぜひ生かして欲しいと思っています。

K君は馬頭琴のワークショップにとてもはまった1人です。2時間の特訓でしたが、嵯峨さんの上手な導き方でいち早くコツを掴んだK君は「馬頭琴はいくらぐらいで買えますか?」とそっと私に質問するほどでした。休憩時間にK君から「ちょっと弾いてみませんか?!」と声がかかったので私も挑戦してみました。嵯峨さんが教えていた通りのことをK君は上手に私に伝え、太ももで馬頭琴のボディを押さえながら弓で音を奏でてみると、なんとも野太い音色が体全体に響いてきて感動しました。

K君はついさっき自分が感動したこの身体感覚を私にも分かち合いたかったのだと理解しましたが、彼のこういうセンスはひとつの大事な才能だと思いました。

学習支援というものは単に受験勉強を指しているのではなく、馬頭琴のワークショップや北大キャンパス訪問などを含め様々経験を重ねていく中から、子ども自身が自分の力に目覚めていく、そのきっかけを創ることなのだという事を子ども達から教えられました。

*み*

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