夏休み支援活動報告 ⑦ 『 元気塾交流合宿 』 8月9日(金)〜10日(土)

元気塾の子どもたちと初めての交流合宿が実現しました。
今回全面的にご協力いただいている浄土真宗本願寺派北海道教区の「重点プロジェクト実行部会」さんは、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故で被災された方たちを北海道のお寺に招待し、家族単位でゆっくり過ごしてもらう保養企画「ほっこりプロジェクト」を毎年夏と冬に実施しています。みみすまはプロジェクトの立ち上げからアドバイザーとして協働してきましたが、今回はそのご縁で「元気塾の子どもたちにも、ぜひお寺ステイを体験させてあげてください」と会場をご提供いただきました。
 
会場: 浄土真宗本願寺派 札幌別院
参加: 小学生6名 中高生3名 計9名(病欠4名)
    浄土真宗本願寺派北海道教区教務所 担当者1名 
    高校生ボランティア3名+インターアクト部顧問1名
    みみすまスタッフ4名
 
<1日目> 8月9日(金)
元気塾2日目の終わりはいつも「次の元気塾でまた会おうね〜」と言いながらなごり惜しく解散するのですが、今回はそのまま続いて特別企画の交流合宿がありました。参加できるみんなはわくわくしながら会場となる札幌別院に移動しました。「お父さんお母さんのいないお泊りは初めて」という小学生も、元気塾で一緒に過ごしたお兄さんお姉さんや札幌龍谷学園高校インターアクト部のみなさんが一緒なので安心です。
 
会場に到着すると、みんな広い畳の部屋でゴロゴロしたり、走り回ったり、すっかりお寺の雰囲気が気に入った様子。今回の合宿でお世話になる北海道教区教務所の佐々木さんから「ものを壊すようなことはしないこと。それ以外は何をしても大丈夫(笑)」とユーモアを交えながらお寺での過ごし方を教わりました。全員でひと言ずつごあいさつと自己紹介をしましたあと日帰りの子もいるので一緒に記念写真を撮りました。
大人たちは夕食のカレー作りにとりかかり、その間子どもたちはインターアクト部の学生さんたちとの「お楽しみタイム」です。インターアクト部の学生さんは、お寺が実施する「キッズサンガ」という子ども向けのプロジェクトでもボランティア活動をしているので、子どもたちを楽しませるスキルをたくさん持っています。
 
こういうときのお楽しみは定番の「ハンカチ落とし」からです。みんなは年齢も体の大きさも違いますが、小さい子のほうが動きが素早いので、中学生、高校生もすっかり本気になりました。次は「ジェスチャーゲーム」。だされたお題をみんなの前でジェスチャーだけで表現し、あててもらいます。みんな、なかなか鋭くて、とても盛り上がりました。
 
夕食のカレーとデザートのスイカを食べたあと、みんなはまた自由に遊びはじめました。お姉さんたちにおんぶしてもらって、小学生の女の子はみんなうれしそうでした。
いよいよ夜一番のお楽しみ「きもだめし」です。
教務所の佐々木さんが「みんな、お寺探検してみる?僕がこれから教えてあげる場所を、みんなだけでひと回りする勇気はあるかな~ ?!」と子どもたちを誘います。
「…きもだめし?」「私は大丈夫!」「僕はちょっと…」「でもみんなで行こう!」と、やる気満々な子も、そうでもない子も、まずは下見で佐々木さんについて2階に上がります。本堂に着くと、佐々木さんは「ここできちんとお参りすると、仏様が守ってくれるからね。南無阿弥陀仏って唱えるんだよ。」とみんなにお念仏を教えてくれました。ここから暗い廊下を通って、納骨堂を過ぎ、また暗い階段を降りて広間に戻るのです。
下見が終わって本番スタート。
男子チームと女子チームに分かれて出発です。佐々木さんが一緒だとちっとも怖くなかった「お寺探検」でしたが、やっぱりみんなだけだとたっぷり怖い思いをし、やっとの思いで戻ってきたのでした。佐々木さんがお化け役をしていたことに気づいたみんなは、「佐々木さんを驚かしてやろう!」と広間で待ち伏せし、佐々木さんが入ってきた途端に「わあっ!」とお返しをして大成功。
このあともみんなはおにごっこや風船遊びをたっぷり楽しみました。子どもたちの幸せそうな笑い声が広い別院の中にたくさん響いていました。夜のおやつもいただいて、元気塾交流合宿は消灯の時間になりました。
 
<2日目> 8月10日(土)
 
朝は6時半起床です。顔を洗って着替え、インターアクト部のお姉さんたちに手伝ってもらいながら寝袋も片付けたら、「お晨朝(じんじょう)」というお寺の朝のおつとめに参加しました。おつとめとは、お経を読んで仏さまを讃え、そのご恩に感謝すること、とされています。約40分間、小学1年生もちゃんと座って朝のおつとめを終えました。これもお寺ステイならではの体験ですね。元気塾の後に塾の夏期講習があって前の晩は合宿に来られなかった中3のYちゃんが朝早く来てくれて、このお晨朝から参加してくれました。
朝ご飯です。交流合宿の食材はオーガニック・自然食品店「らる畑」さんで準備しました。野菜も卵もしっかり素材本来の味がします。みんなは自分の食べる分をお皿に盛り付けて、色合いもきれいなビュッフェ形式の朝ご飯をいただきました。
朝ごはんの後はそれぞれ自由に遊びましたが、途中、全員で資料の封筒詰め作業をお手伝いをしました。どの子もとても熱心に佐々木さんのお手伝いをしたので、あっという間に作業が終わりました。
 
実は昨夜の「きもだめし」の後にやった「佐々木さんを探せ!」という遊びで、佐々木さんはすっかりみんなの人気者になっていました。「佐々木さんを探せ!」は、札幌別院の建物内を知りつくしている佐々木さんが隠れながら逃げるのをみんなで探す「かくれんぼ」です。運動神経抜群の佐々木さんが複雑なつくりの札幌別院中を逃げるので、子どもたちみんなで探してもなかなか捕まえることができず、その分とても盛り上がりました。楽しく遊んでくださった佐々木さんのお手伝いができて、みんなはとても嬉しそうでした。
「おわりの会」の前にはみんなでお掃除です。ほうきは畳の目に沿って、一列になって掃きます。これも佐々木さんがしっかり教えてくださいました。ロビーや廊下の絨毯はガムテープでペタペタほこりを取りました。多分こんなに熱心なお掃除は生まれて初めてかもしれません。自分たちが使わせていただいたお寺をみんなはとても熱心にお掃除しました。
お迎えの保護者も交えての「おわりの会」では、楽しかったこと等の感想をひとりずつ発表しあい、最後に1泊2日の交流合宿を全面的にサポートしてくださった教務所の佐々木さんとインターアクト部のお姉さんたちに、全員を代表して小学6年生のMさんがお礼をのべました。こうして初めての元気塾交流合宿はみんな笑顔で無事終了しました。
 
 
今回特に印象深かったのはインターアクト部の高校生のみなさんの活躍でした。元気塾3日間の全てのプログラムに力を発揮し、全力で心から向き合ってくれる高校生のお姉さんやお兄さんの登場は、元気塾の小学生や中学生そして同年代の高校生の心に爽やかな風を吹かせてくれました。
 
浄土真宗本願寺派の関係者のみなさま、札幌龍谷学園高校インターアクト部顧問の先生と学生さんたち、快く厨房を使わせてくださった札幌別院厨房責任者の輪島さま、安心安全な食材を提供くださった自然食品店らる畑さま、そして子どもたちを送り出してくださった保護者のみなさん、楽しんでくれた元気塾のみんなに心より感謝を申し上げます。
 
NPO法人みみをすますプロジェクト 
事務局一同