新しい年も半月を過ぎ、いよいよ北海道でも3学期が始まる頃となりました。
遅くなりましたが、昨年末の『ほっこりプロジェクト2018冬』の報告の後半です。
12月27日(木) お別れの会 と 見送り
冬休みの保養で北海道の六ヶ所のお寺に滞在していた親子7組22人が再び苫小牧市に集合しました。
毎回、真宗寺さんにてお琴の演奏を聴かせていただいたり、綺麗な彩りのビーズの念珠作りなどで心を和ませていただきながら2時間ほど北海道最後の時間を過ごします。
子ども達もお母さん達も到着の日よりも明るい笑顔が増えて、滞在した町で良いリフレッシュができた様子は一目瞭然です。仲良くなった受け入れ寺院の方達に子ども達が甘えている姿もとても微笑ましく、保養の受け入れ活動を続けてこられて良かったなあとしみじみ感じるひと時でした。真宗寺の皆様、今回も大変お世話になりました。
2人のお坊さんに引率された皆さんと見送り組の10人はフェリータミナルで最後の別れを惜しみながら「来年もまた会いましょうね」と手を握り合ってお別れしました。
12月28日(金) 福島→ 郡山→いわき ほっこり無事終了
前日午後7時に苫小牧港を出港したフェリーは翌日の午前10時に仙台港に到着。
貸切バスに乗り込んだ皆さんを福島市→郡山市→いわき市と順番に送って今回も無事終了できました。
引率をしてくださったお坊さん達も仙台空港から飛行機で無事北海道に帰って来ました。
復路のフェリーの中ではお母さん達とお坊さん達との交流会も行いましたが、往路の時と同じくお母さん達からは「保養の受け入れ活動を今後もぜひ続けてください !!」という切実な声が上がったそうです。
福島県内の除染は随分行われましたが、原発事故後8年目となる今でもホットスポットが街のあちこちに存在していて、放射能による健康被害への不安感はぬぐわれない現実が続いています。
11月に実施した現地学習会では実際に郡山市内の公園をホットスポットファインダーで測定しながら歩いてみましたが、高い数値( 毎時0.7〜1.5マイクロシーベルト)を示す場所が点在していました。
こういう現実を背負わされた方達の苦悩に背を向けて、今、福島県内では中通りの主要な町の仮置場に山積みになっているフレコンバッグ(除染による汚染土)を浜通りの中間貯蔵施設に移送して2020年のオリンピック開催に間に合わせようとする動きが始まっています。みみすまが支援活動をしている川俣町では福島市から浪江町へと汚染物質を移送する大型トラックが頻繁に行き交っていました。
「冬のほっこりプロジェクト」は新年度の会議で計画を練り、夏休みの受け入れ活動の反省を踏まえ、 11月には「単独相談会」を実施したり「現地学習会」を行なって受け入れ側の理解の促進にも努めたり、同時に「ほっこり同窓会」も行なって過去の参加者さん達との絆を深めて励ます活動も行うなど事前の準備に多くの努力を費やしてきました。
保養の必要性は、被災地で暮らしている当事者の方達は元より誰もが理解できることだと思います。
保養を続けていくためには、受け入れ活動の運営を支える労力と資金が必要です。そしてそれら全ての原動力となるのは「お互い様」の精神と「子どもはみんなの宝物」という慈愛の心だと思いますし、日本社会全体がこの現実を理解することが大切です。
みみすまは浄土真宗本願寺派北海道教区の重点プロジェクト実行部会との連携・協働で「ほっこりプロジェクト」を今回も無事運営することができました。ご協力いただいた皆様に深く感謝を申し上げます。