『語り部ふくしま交流会・北海道』ふりかえり

9月22日・23日・24日に行われた「語り部ふくしま交流会」は、各地でたくさんの方々の参加をいただき、熱気のある催しとなりました。

1日目:札幌市手稲区の浄土真宗本願寺派「真宗寺」にて (参加者38名)
ご門徒の方達向けの交流会。福島県からやって来た三人の女性達それぞれが原発事故が起きてからの自分や家族の生活を語り、除染もそう簡単には進んでいない現在の福島県の様子も伝えました。
最近、福島県内を訪問した方からは「見学者に対して大丈夫な様子ばかり見せようとして、返って汚染の実態を隠しているような気がしてならない」という感想がありました。
20160922

2日目:北海道大学人文・社会科学総合教育研究棟にて 「北大民法理論研究会」「スラブユーラシア研究センター」「みみすま」共同開催 (50名)
悪天候にもかかわらず、大学の先生、学生、一般の方々、自主避難の方達にいらしていただきました。語り部三人のお話しに涙する方も多く、原発事故が起きてしまうとどれほど一人一人の人生が変えられてしまうものなのか参加者の心には深く響いた様子でした。
2部では吉田邦彦先生(北海道大学教授)や淡路剛久先生(立教大学名誉教授)にも登壇いただき、語り部の方達の実体験に重ねて福島原発事故における国や東京電力の賠償問題の曖昧さ、そして自主避難者に対する居住福祉の課題などにも論点が広がりました。
フロアーから感想を述べて下さったテッサ・モーリス・スズキ先生(歴史学者、オーストラリア国立大学教授)が「日本が東京オリンピックに向かっていく中で、海外からは原発事故や汚染問題が再び注目を集めはじめているし、現在でもオーストラリアでは日本の中に渡航制限区域(福島県内)を設けていることも事実です。こうして真実を市民レベルで語り伝え合う事はとても大切です」と語り部の女性達にエールを贈って下さり印象的でした。
20160923

3日目:室蘭市の浄土真宗本願寺派「本光寺」にて 「浄土真宗本願寺派北海道教区胆振組」「みみすま」共同開催 (40名)
お彼岸法要が続いている中、北広島、穂別、登別、伊達からもお寺関係者に駆け付けていただきました。最後の質問・意見交換タイムでは、福島の人達が事故で犠牲になっている教訓を活かして北海道の原発も廃炉にしていかなければならないという意見、保養の受け入れも大事にしていきたいという意見、ちゃんと政治に自分達の民意を反映させることのできる議員を出さなければならないという意見、等々、熱心な声が沢山上がりました。
被災地支援・被災者支援を熱心に行ってきた胆振組の方達にはこの日の議論を引き続きの課題としていただくことになりました。
20160924-1
20160924-2

*****
一般の生活者でありながら、勇気を出して、ひとりひとりの判断・選択を多くの方達に語っていただいたチーム・カタリーナの女性達に改めて深く感謝したいと思います。原発事故避難という未だ誰も経験したことのなかった深刻な状況を、参加者は自分と照らし合わせて考える良い機会になりました。
この活動を、浄土真宗本願寺派北海道教区の皆様や北海道大学の先生達と協働できたことにも心から感謝を申します。

================================
<お礼の手紙>
皆様、お変わりございませんでしょうか。
先日は、チーム カタリーナの語り部活動へのご支援ご協力をいただき、ありがとうございました。

人前で話す事が不得手な私達ですが、皆様の温かい後ろ盾のもと安心して話す事が出来ました。
一般市民の皆様へは、どの様に伝わったでしょうか。
福島県と北海道という離れた地域ですが、子を持つ母としてのこの5年半の生活全てを伝える事は出来ませんでしたが、ご来場いただいた方々が真剣に私達に向き合ってくださり、うなづいて涙を流して聞いてくださっている姿に、心が熱くなりました。

広島、長崎に語り部が存在するように、原発事故の不安を抱え、移住する事が出来ず、保障対象外であっても、愛しい我が家族を守ろうと福島のこの地で暮らす私達の語りは、今後の日本の将来を国民一人一人が考える時の1つの資料になるであろうと自負しております。
原発事故を無かった事にしないために、子孫にとってより良い世界を選択するための一助となれれば幸いです。

未熟な私達を快く受け入れ、またお持て成しいただき感謝いたしております。
ありがとうございました。

2016年10月
team kattarina チーム カタリーナ
横田麻美   鈴木春美   高橋多賀子
================================

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする