〈みみすまの2017夏休み支援事業〉 避難児童生徒向け企画
『2017夏 第9回 元気塾』8 /3(木)・8/4(金) 10:00~15:00
8/3(木) 1日目
夏と冬の長期休みにボランティアの先生たちのご協力で開かれる元気塾は、今回で9回目となりました。
大学受験を控えて久しぶりに参加してくれた高校3年生のK君など、初日は高校生2名 + 中学生4名 + 小学生5名、計11名。
先生16名(午前のみ3名、午後のみ3名)。スタッフ5名。
保護者(朝の会のみ参加1名)。お菓子の差し入れ・札幌友の会(朝の会のみ参加7名)。
エルプラザで開かれる元気塾としては2014年の冬が第1回でしたが、そのときの参加者は小学生8名、中学生2名。
第8回となる今年の冬の回まで中学生の参加は多いときで3名、あとは小学生が10名前後という構成でした。
今回はそれが大きく変わり、高校生が初参加し、小学生として参加していた数名がこの春中学生となったこともあり、中高生チームの人数が小学生チームの人数を上回りました。この春に中学生になったみんなは震災直後の4月に小学校にあがっていますので、月日の流れを強く感じます。
さて、先生たちも子どもたちもほとんどが元気塾に参加してくれた経験があるので、七ヶ月ぶりの初日から、朝の会→勉強→お昼→勉強→お楽しみとおやつ→帰りの会という一日の流れがとてもスムーズでした。
勉強タイムはいつもの通り先生がマンツーマンできめ細かな指導。お昼ごはんの時間をはさみ、午後はもうひと頑張りのあと、恒例の「お楽しみタイム」です。担当してくださった先生はとてもプレッシャーを感じていたとのことでしたが、みんなそうとは知らずに楽しんでいました!
今回はL君が自由研究のための実験協力をみんなにお願い。「あくび連鎖の実験」ということで、色々な年齢の男女が集まる元気塾がサンプル採取にとてもいいと考えたそうですが、みんな快く協力しました。さて、研究結果は?
8/4(金) 2日目
2日目の参加は高校生2名 + 中学生5名 + 小学生5名、計12名 +お楽しみタイム飛び入り参加1名、合計13名。
先生16名(午前のみ4名、午後のみ2名)、スタッフ5名、飛び入り保護者1名。
初日に引き続き朝の会では全員が自己紹介をして一日がスタート。札幌市内あちこちの小・中学校からボランティア参加されている先生たちは、こどもたちそれぞれの年齢や個性に合わせて、静かに見守ってくれたり、適所適所で楽しいヒントを出してくれたりと、とても豊かな対応ぶりです。元気塾では実質午前中の勉強タイムが2時間、午後はお昼の後に1時間。今回は小3が一番下の学年でしたが、長時間みんな本当にしっかり集中して頑張りました。
お昼ごはんの後は午後の部がはじまるまで、それぞれ部屋で本を読んだり、ホワイトボードに絵を書いたり、会場の隣りにある環境プラザで遊んだりと、こどもたちは自由に過ごします。なかでも恒例となっているのは環境プラザの「カプラ・タワー」という積み木遊び。ウエハスのような同じ形の薄い積み木をこどもたちはみんなでどんどん積み重ねていくのですが、年々高く、組み上げ方も複雑になるので、スタッフも毎回この「作品作り」を楽しみにしています。
午後の部の勉強ひと頑張りのあとはわくわくのお楽しみタイムです。
2日目は厚紙で「ブーメラン」つくり。先生が最初の型紙で基本を教えてくれたあとは、みんなそれぞれに大きくしたり、いくつか組み合わせてみたり、色をつけたりするなど、どんどん自由な発想でマイブーメランを作って飛ばしました。さすが高校生は数式をたてて計算し、優雅に飛ぶブーメランを開発。
最後に友の会さんが手作りしてくださったおやつをいただき、今年の夏の元気塾はお別れの時間となりました。
帰りの会では1人ずつ全員が感想を伝え合い拍手で終了しましたが、とても笑顔の多い2日間でした。
2日目にTさん親子がみんなに会いに来てくれました。福島県の住宅支援打ち切りの影響で団地から民間のアパートに引越したあと、心細い気持ちで親子三人なんとか頑張っているそうです。「元気塾に行けば懐かしいお仲間に会えると思って来てみました」と仰るお母さんは涙声でした。
元気塾は一年に2回だけ集う学舎ですが、「また集ってみんなに会いたい」と思うこども達や先生達の思いにあふれています。
みみすまのスタッフもこども達や先生達と次の元気塾でまたお会いできることを楽しみにしています。
2日間の当日スタッフ:みかみ・米永・笹木・小松・大槻
追記:
今回スタッフとして初参加の大槻さんは普段はカナダのモントリオールにお住まいです。2日目に大槻さんのご主人(イタリア人)が見学にみえて、L君の「あくびの連鎖」研究をとても素晴らしい着眼点とほめてくださり、L君にこんな意見をのべました。
~L君のノートより~
「あくびが連鎖するのは、集団行動の中だからこそおきる現象ではないだろうか。人はみんな共鳴しながら生きている。同じリズムで生きようとするからこそ、『さあもう寝よう』というサインとして、あくびが連鎖するのだと考える」
報告:元気塾スタッフ 米永明恵